【メゾン・マルジェラ】タビ・シリーズのレザーシューズ、Tabiモンスター。怪物級の変態靴をレビュー。

私物

ルジェラの「タビ」シューズといえば、ファッション好きなら知らない人はいない、このブランドを代表するアイコニックなアイテムです。
日本の足袋たびから着想を得たそのまんますぎるネーミングが本国フランスではウケるのでしょう。
もちろんネーミングだけではなく、その独創的なデザインはワールドクラスの人気ぶりです。

「タビ」はマルジェラのデビュー期(1989年春夏)からずっと展開されているシリーズです。
長らくウィメンズの展開しかなかったですが、2017年からはメンズでも展開されるようになりました。
好き嫌いがすごくはっきりと分かれるアイテムです。
正直に告白すると 私はどちらかというと否定派の人間。
デザインを否定しているわけではなく、私のような人間には似合わないからという単純な理由です。
『幽☆遊☆白書』の妖狐蔵馬のような容姿端麗で中性的な人ならいざ知らず、中肉中背の中年男(しかも髭)にはハードルが高いのです。
が、人生は1回きり。
何でもチャレンジしてみよう精神で今回は購入に至りました。

『幽☆遊☆白書』の妖狐蔵馬。
「タビ」シリーズはこういう人に似合う靴です。

んなわけで、今回は私物の中からメゾン・マルジェラのレザーシューズ、”Tabiモンスター”を紹介します。
早速ですが実物写真をご覧ください。

これ。
Maison Margeila / Tabi Monster(S97WQ0071P5726H9921)

どうですか、この変態さ。
Tabiモンスターと名付けられたことだけあり、変態レベルも怪物級です。
一見すると、本シリーズの特徴である つま先のスプリットに目がいきますが、じっくり細部まで見ていくとこの靴がモンスターと名付けられた所以が分かってきます。

ファッションが好きな人ならもうお気づきでしょう、この靴の違和感に。
そうです。
この靴、もともと3足の別々だった靴を一度解体し、合体させています
そうです。
「は?」です(笑)

例えるなら、蕎麦とパスタとラーメンをミックスして提供されるようなもの(おえー)。
例えが正しいかは別として、独創的かつ変態なことをしても上手くまとめてくるあたり、さすがはマルジェラです。
変なことをしているのにかっこよく見える。
これ、すごく難しいことです。
紙一重なことをやっているわけですからね。

マルジェラを語るうえでキーワードとなる「解体」と「再構築」。
既存のルールに捉われず、常に新しい何かを作り出そうとする姿勢がこの靴からも痛いほど強く伝わってきます。
ある種の異様なエネルギーに満ち溢れており、なにかオーラでも出ているかのような、そんな靴です。

まじまじと見ると変態レベルが分かる。

をてらったことをするだけではいけません。
きちんとした作り込みが成されているかは非常に重要なポイントです。
そういう点において、この靴の作り込みは合格と言えるでしょう。
手抜きになりがちな靴底もきちんとレザーソール。釘打ちも丁寧です。

本格仕様のレザーソール。

また、職人泣かせであろう つま先のソール部分も見事な仕上げです。

ここ。
この通り綺麗で丁寧な仕上がり。

ソールにはカレンダータグのデザインがプリントされています。
靴なので「22」の部分に〇印が付けられています。

ソールのプリント表記。

もちろん、ソールだけではなくアッパーにも変態的な技術の結晶が随所に垣間見られます。
むしろこちらの方がメイン。
まずはアッパーのつま先をアップで見てみましょう。

ここ。

ヤギの足のような切れ目の入ったスプリットのトウは非常にユニークなデザイン。
はっきり言って好みが大きく分かれます。
「何やってんの?」「何がしたいの?」という意見があるのは百も承知ですが、この独創的なデザインにコアなファンがずっと付いていることには納得できます。
アイデアは当然のことながら、作りたくても簡単には作れませんからね。

アップで見ると「すごい!」のひとこと。

3足の靴を合体させて作られていることは先述しましたが、横から見るとその仕組みがよく分かります。

でんっ!

①シボ有りのロングウイングチップ
②シボ無しのセミブローグ(もしくはフルブローグ)
③ガラスレザーのプレーントウ(?)
この3足から構成されています。

見れば見るほどに変態。
しかし、デザイナーや職人共々 作り手のことを考えながら改めてこの靴を見ると、苦労しながらもきっと楽しんで作ったんだろうなあと勝手ながらも想像でき、思わず微笑んでしまいます(←これはこれで変態)。

3足の靴が組み合わさって構成されています。
かかと部分にはマルジェラを象徴する白糸のステッチ入り。

とめです。
今回はメゾン・マルジェラのレザーシューズ、Tabiモンスターをレビューしました。
正直なところ私には似合わない靴なので長く所有する自信はゼロですが、手放すまではそれなりに楽しもうかなと思います。
ちなみに、普通の一般的な靴下で履こうとしても つま先の内側の”仕切り”に指がつっかかって上手く履くことができません。
無論 歩けません。
足袋靴下や5本指の靴下でなければ足を通すこともできないため、そこは減点ポイントです。
”専用の靴下を準備して履く”という面倒くささが、なんだか乙な気もしなくもなくもなくもほにゃららら…です。
あと、ふと気になりましたが ソール交換はどうすれば良いのでしょうかね…。

【一口評価】
・変態なのが◎
・変態なのが×
・丁寧な作り込みが〇
・普通のソックスでは履けないのが×
・ソール交換できるのか不安なところが△
・(個人的に)いつか手放すだろうことが分かっているところが△

では、今回はこのあたりで。

<おわり>


■スペック詳細
・ブランド:Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)
・商品名:タビ モンスター レースアップ
・型番:S97WQ0071P5726H9921

・シーズン:2023秋冬(Co-ed)
・カラー:ブラック
・製法:グッドイヤーウェルト
・素材:(アッパー)カーフレザー、(ライニング)ラムレザー
・底材:カーフレザー
・原産国:イタリア
・価格:376,200円(税込)
※2024年3月3日現在

※本記事内の写真はすべて「iPhone 12 mini」の内蔵カメラにて撮影しています。
(出典記載のある写真/画像/絵/図などは除く)

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