サンダースが創業150周年を迎えると聞いて驚いています。
サンダースは革靴の聖地として知られるイギリス・ノーザンプトンで1873年に産声を上げ、今日に至るまで5世代に渡って家族経営を続けている老舗のシューズメーカーです。
5世代ですよ、5世代!
つい手のひらを見つめ、親指から順番に指を曲げながら「自分→おやじ→おじいちゃん→ひいおじいちゃん→ひいひいおじいちゃん」と数えてしまいました。
現在5世代目ということなので、商いを始めたのはひいひいおじいちゃんというわけですが(ひいひいおばあちゃんかもしれないですが きっと男性でしょう)、脈々と流れる血統、家柄、歴史がそこにはあり、なんかいいっすね(ラフ)。

1873年というと日本では明治6年です。
私には縁もゆかりもない東京大学の設立が1877年(明治10年)ですから、東大よりもサンダースの方が4歳も先輩ということになります。
すごいですね、サンダース。
ちなみに、廃刀令が公布されたのが1876年(明治9年)。
日本にまだ武士が実在していた時代に海のはるか向こうの英国で誕生したシューズメイカーブランドだということです。
こういった歴史上の事柄と重ね合わせてそのブランドを振り返ってみると面白いですね。
節目の周年記念だからこそ振り返ってみたくなる、そんなところでしょうか。
なお、次なる周年記念を待ち構えているシューズブランドはトリッカーズです。
1829年創業のトリッカーズは2029年で創業200年を迎えることになります。
かっこいい記念モデルが発表されることを期待しましょう(わくわく)。
前置きが長くなりましたが創業150周年を迎えたサンダース、150周年記念として特別限定仕様の靴が2点発表されました。
今回、私が購入したのは汎用性の高そうなダービーシューズ。
発表された2点のうち、こちらの方が目玉モデルと言えるでしょう。
チャッカブーツもかっこいいのですがオールソール交換不可のため、私の検討からは外れました。

(出典)サンダース公式オンラインストア
さて、今回手に入れたこの靴。
サンダースの定番にしてベストセラーモデルと称されるミリタリーダービーシューズの特別仕様版です。
これがなんとも素晴らしい仕上がり。


こんなことを言うと怒られますが 良い意味でサンダースらしくない靴。
サンダースのお家芸とも言えるポリッシュドレザー(いわゆるガラスレザー)の靴ではなく、予算的にも頑張って調達したであろう革が贅沢に使用されています。
アノネイ社のボックスカーフをメインに、つま先や細部にはベイカー社のロシアンカーフを配したコンビネーションデザイン。
「さすが周年記念モデル!」と思わず唸る出来の良さ。
まるでアランドロン(仏)とショーンコネリー(英)が共演しているような、そんな靴です(ピンとこない)。

(出典)Wikipedia
お気に入りのポイントは、ありきたりですがやはりこの良質な革の質感を楽しめるアッパーのボックスカーフ。これは育てるのが楽しそうです。

写真は履きおろす前の新品なのでシャッキっと張りのある状態ですが、履き込んでいくと貫禄が出てくることでしょう。
アランドロンやショーンコネリーしかり、人間だれしも年を重ねると若い頃の魅力とは違う貫禄がにじみ出てくるものです。
この靴もそうなる素質十分。楽しみです。

コンビ素材として使われているのは質感の異なるロシアンカーフ。
滑らかなボックスカーフとは質感の異なるロシアンカーフを使うことで奇をてらいすぎない絶妙なバランスに仕上がっています。素晴らしい。

ステッチも3本でミリタリー要素も忘れていません。



履いているうちに消えていくので新品の今のうちに記念撮影。

価格は75,900円(税込)とサンダースの靴としては高めの設定ですが、革質や企画費を考えると安く感じます(いや、安くはない)。
ボックスにも記念ロゴがデザインされており、特別仕様モデルでこの価格は非常に良心的。
お金が節約できた謎の錯覚に陥っています、ありがとうサンダース。


そういえば、この商品には付属品として替えの靴ひもが付いています。
しなびた枝豆のような色をしたこの靴ひもです。

替えの靴ひもが付属してくるのはちょっぴり嬉しいポイント。
たまには気分を変えてみるのも良いでしょう。
靴ひもひとつで靴の表情もけっこう変わります、人間でいうところの髪型のようなものです。
ベッカムも髪型ひとつで随分と印象が変わりますからね。

(出典)GQ JAPAN
というわけで、枝豆カラーの靴ひもに替えて写真を撮ったので載せておきます。
(正式なカラー名は「オリーブ」ですが、「枝豆」と似たり寄ったりだなと思ってしまった私です。)


はい、感想は人それぞれでしょう(意味深)。
ひょうきんな三枚目キャラを演じるイケメン俳優みたいな雰囲気になり、これはこれでありかなと。
裏切るようで失礼ながら、私は黒の丸ひもを通して使うつもりです(なんじゃい)。

最後にソールについて。
ソールはイッツハイド社のコマンドソール(ゴム底)が採用されています。

スマートさも残しつつ頑丈なソール。
耐久性は十分かなと思います。

まとめです。
今回はサンダースのミリタリーダービーシューズ150周年記念モデルをレビューしました。
派手な記念モデルではないものの、ブランドの本気度と遊び心を感じられる1足。
久々にグッとくる買い物でした。
【 ひとくち評価 】
・良質の異素材コンビが◎
・張り切り過ぎていないところが◎
・価格も良心的で◎
・△や×の要素がほとんど思い浮かばないところが◎
作り笑いの私の写真でお別れです。
さよなら。

<おわり>
■スペック詳細
・ブランド:SANDERS(サンダース)
・商品名:150TH ANNIVERSARY MILITARY DERBY SHOE
・型番:2681BRG
・カラー:ブラック
・ラスト:266
・製法:グッドイヤーウェルト
・素材:ボックスカーフ(アノネイ社)×ロシアンカーフ(ベイカー社)
・底材:ラバーソール(イッツハイド社)
・原産国:イギリス
・価格:75,900円(税込)
※2023年11月11日現在
※本記事内の写真はすべて「iPhone 12 mini」の内蔵カメラにて撮影しています。
(出典記載のある写真/画像/絵/図などは除く)
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